犬用シャンプーはどれも同じようなことが書いてあって違いが分からないよね
そうですね。
でも、裏面を見ると商品の違いが分かるかもしれません。
シャンプーの裏を見たけれど、成分表はどこ?
犬用シャンプーには成分表の義務がありません。
何が入っているか分からないですね。
今回の記事では犬用のシャンプーを選ぶ際のポイントを洗浄成分である界面活性剤を中心にご紹介します。
この記事でわかること
- シャンプーを買う時は成分が書いてあるかを見る⇒成分が書いてないシャンプーは怪しい。
- 価格の安いシャンプーは洗浄力が強いが保湿成分が少ない
- シャンプーの主成分、界面活性剤の見方として下記を覚える
- 高級アルコール系(ラウリル〇〇・ラウレス〇〇・ココイル〇〇)⇒安価で洗浄力が強いが刺激が強い
- 石鹸系(石鹸〇〇・脂肪酸〇〇)⇒脂質の洗浄力が強いが洗い流しにくい
- アミノ酸系(ラウロイル〇〇・ココイル〇〇)⇒洗浄力は弱いが保湿成分があり肌に優しい
- ベタイン系(〇〇ベタイン)⇒洗浄力が非常に弱いが肌にとても優しい高級シャンプー
まずは上記の3つを意識して選ぶことから始めると愛犬の肌や毛並みがぐっと良くなります。
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順番に詳しく説明していきますので最後まで見てください。
≪ 取得した資格≫
- 愛玩動物育養管理士
- JADP公認上級ペットケアアドバイザー
- JADP公認トリマー・ペットスタイリスト
- JADP公認ドッグセラピスト
犬との暮らし16年、 多頭飼い歴7年、
保護犬ボランティア歴7年。
自他ともに認める犬が大好きな過保護飼い主です。
Instagram(フォロアーさん1万人)では我が家の愛する娘🐶達との生活と最新情報を投稿しています。
※記事内に広告があります。広告の収益は看取りボランティア施設設立の資金にさせて頂きます。
【基礎知識】犬用シャンプーに含まれる成分は3つ
犬用シャンプーの原材料は、大きく分けて以下の3つに分けられます。
- 界面活性剤
- 保湿成分
- 香料
まずは、さらっと解説します。
界面活性剤
界面活性剤は、シャンプーの洗浄力の源になる成分。
犬の皮脂や汚れ、ホコリを包み込んで落とす効果があります。
犬用シャンプーで使われる界面活性剤の種類は大きく分けて4つ。
- 高級アルコール系(ラウリル〇〇・ラウレス〇〇・ココイル〇〇)⇒安価で洗浄力が強いが刺激が強い
- 石鹸系(石鹸〇〇・脂肪酸〇〇)⇒脂質の洗浄力が強いが洗い流しにくい
- アミノ酸系(ラウロイル〇〇・ココイル〇〇)⇒洗浄力は弱いが保湿成分があり肌に優しい
- ベタイン系(〇〇ベタイン)⇒洗浄力が非常に弱いが肌にとても優しい高級シャンプー
この記事ではこの界面活性剤を分かりやすく解説していきます。
保湿剤
保湿成分は、洗浄後の皮膚や毛へのダメージを防ぐ成分。
犬は元々乾燥しやすい肌質です。
そこでさらにシャンプーにより皮脂が落ちすぎると、乾燥で痒くなったり、毛先がパサパサになったりします。
保湿成分が入っていることで乾燥防ぎ、潤いを保ちます。
香料
香料は、シャンプーの良い香りを付ける成分です。
犬自身は香りに反応しません。
逆に自分の匂いが無くなることは、犬には嬉しくないことです。
香りは飼い主の為のものなので、あまり強くないものをおススメ。
下記では洗浄成分の源、界面活性剤をメインに説明します。
犬用シャンプーの主成分である界面活性剤は4種類
犬のシャンプーには、洗浄力の源となる界面活性剤が含まれています。
代表的な界面活性剤とその特徴を知ることで、毛質と肌状態に合った適切なシャンプーを選ぶことができます。
高級アルコール系
アルコールが主原料の界面活性剤。
泡立ちが良く、強力に汚れを落とすのが特徴です。
一方で、保湿力が弱く、洗い流しが不十分だとかゆみやかさぶたなどの肌荒れになるかも。
安価で購入できるシャンプーでよく使われる界面活性剤ですが、肌の弱い犬は避けましょう。
- ラウリル硫酸Na
- ラウレス硫酸Na
- ココイル硫酸Na
- ココイルグルタミン酸Na
etc….
ラウリル硫酸Naとラウレス硫酸Naは、最も一般的な石油由来の高級アルコール系界面活性剤。
ココイル‥は、植物由来の高級アルコール系界面活性剤です。
ココイル‥は、ラウリル硫酸Naやラウレス硫酸Naよりも洗浄力が弱く、刺激が少ないため、高級アルコール系の界面活性剤の中では乾燥肌や敏感肌の犬にも使用しやすいですね。
石鹸系
石鹸が主原料の界面活性剤。
洗浄力と泡立ちがとても良く、汚れをしっかり落とせます。
石鹸は肌の脂を奪う性質があるので、洗い流しが不足だと肌が乾燥してしまうことがあります。
しわのある犬種は汚れが溜まりやすいので石鹸系がおススメですね。
- 石鹸素地
- 脂肪酸Na
- 脂肪酸Ka
- 脂肪酸モノグリセリド
- プロピレングリコール脂肪酸エステル
- ソルビタン脂肪酸エステル
- ショ糖脂肪酸エステル
etc….
アミノ酸系
アミノ酸が主原料の界面活性剤。
高級アルコール系や石鹸系と比べると洗浄力は弱いですが、肌への刺激が非常に小さく、保湿力が高いのがメリットです。
- ラウロイルアスパラギン酸Na
- ラウロイルメチルアラニンNa
- ラウロイルグルタミン酸TEA
- ココイルグリシン
- ココイルグリシンNa
- ココイルサルコシンNa(TEA) ラウロイルサルコシン
- ココイル加水分解コラーゲンK, Na
etc….
ベタイン系
ベタインと呼ばれる化合物が主原料の界面活性剤。
洗浄力はあまり強くありませんが、肌への刺激がとても小さく、保湿力が非常に高いのが大きな特徴。
洗浄力を重視するよりも、肌の優しさを重視した成分といえます。
- ラウリルベタイン
- ラウロアミドプロピルベタイン
- ココベタイン
etc….
※今回の種類分けは筆者の知見から分類したものであることをご了承ください。
愛犬に合う犬用シャンプーの選び方を肌の4タイプ別に紹介
犬の肌質別におススメのシャンプー成分を紹介します。
犬の肌質は
- 乾燥肌
- 脂性肌
- 敏感肌
- 混合肌
犬の肌はデリケートなので間違えると大変です。
動物病院に行ったときに確認しましょう。
乾燥肌|アミノ酸系・ベタイン系シャンプー
皮脂が少なく、肌がカサカサして、ふけが出やすい肌タイプ。
シャンプー選びでは、洗浄力が強すぎると肌のバリア機能が低下します。
なので、洗浄成分の量を抑えた低刺激で、保湿成分を多く配合したアミノ酸系やベタイン系がおススメ。
シャンプー後のリンスは十分に行い、洗い流しを良くすることで、洗浄成分の残留を防ぎましょう。
リンスはシャンプーを洗い流しやすくしますよ。
脂性肌|高級アルコール系・石鹸系シャンプー
皮脂の分泌が活発なため、肌がべたつきやすく、毛穴の汚れも付きやすい肌タイプ。
皮脂汚れをきれいに洗い流す洗浄力の高い高級アルコール系、又は石鹸系のシャンプーがおススメ。
また、抗菌作用のある成分を含んでいるシャンプーだと、皮脂に付着しやすい菌を防いでくれます。
敏感肌|ベタイン系・アミノ酸系又は薬用シャンプー
刺激に反応しやすく、シャンプーによって肌荒れやかゆみが生じる肌タイプ。
可能な限り刺激の少ない低pHのシャンプーを使うことが大切です。
洗浄成分の量を抑え、保湿成分を配合したアミノ酸系やベタイン系がおススメですね。
又は、アレルギー反応を抑える薬用シャンプーも検討しましょう。
※薬用シャンプーを使用する際は必ず獣医師に相談しましょう。
混合肌|高級アルコール+アミノ酸シャンプーなどを併用
部分的に乾燥しがちな部分と皮脂が多く出る部分がある肌タイプ。
ゾーン別に水分補給と皮脂対策が必要なため、部分別にシャンプーを選ぶことがポイント。
乾燥しがちな部分には保湿成分が高いアミノ酸系やベタイン系。
皮脂が多い部分には洗浄力の高い高級アルコール系や石鹸系。
部位に合わせた複数の界面活性剤の併用がおススメです。
犬用シャンプーを選ぶときに注意したい成分の話
犬用シャンプーは成分が分かりにくく選ぶときにパッケージの言葉か価格で選んでしまう方が多いと思います。
ですが、ちょっと気を付けると見え方が変わります。
犬用シャンプーを選ぶさいに注意したい成分の見方を紹介します。
犬用シャンプーは成分表示の義務がない
犬用シャンプーの成分表示は、法律で義務化されていないため、各メーカーの自主的な表示に頼っているのが実情。
そのため、成分表のない商品も存在します。
成分をメーカーに直接問い合わせても、業務上の秘密として教えてもらえないこともあります。
だから、まずは成分表がある商品の方が信頼できますね。
成分表の無添加の定義を知っておく
無添加とは添加物が入っていない商品。
着色料、香料、防腐剤etc…
ですが、添加物は一つではありません。
一つでも入っていないと『無添加』と宣伝されます。
防腐剤が全く入っていないと管理が難しくなりますが、着色料や香料は飼い主用であって、犬には必要ありません。
天然由来成分の商品でもにおい成分さえ全く入っていないシャンプーはほとんどあまりありません。
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犬用シャンプーの成分に関するよくある質問
犬のシャンプーは詳細が書いていないことが多いので、どれだけ知っているかが大切です。
愛犬に合うシャンプーを選ぶために成分の勉強は必要ですよね。
この記事ではよくある疑問をまとめました。
読んでおくだけでも知らない人との差が付きますよ。
犬用と人用シャンプーの成分に違いはある?
人とは違う犬の肌質の特徴をご紹介します。
- 人はph4.5~6.0の酸性ですが、犬はph7.0~8.0のアルカリ性
- 皮膚の角質層が人間よりも厚めで、保湿力が高い
- 皮脂の分泌が多く、皮膚表面を保護する
- 体全体を毛でおおわれていて、抜け毛が多い
- 体温調整のため汗腺が少なく、皮膚が乾きやすい
- 抜け毛が多い
犬と人の肌質や毛は全く違うので、人用シャンプーと犬用シャンプーの成分は違うものが使われています。
犬に人用のシャンプーを使うことはおすすめできません。
pH(アルカリ性・酸性)の違いは?
犬と人の皮膚のpHについて簡単に説明します。
- 人の皮膚のpHは酸性寄りで、平均してpH5-6程度です。
- 犬の皮膚のpHはこれよりもアルカリ性寄りで、pH7-8程度になっています。
つまり犬の方が人より皮膚のpHがアルカリ性の状態です。
この理由として、犬の皮膚の角質層が人よりも厚く、皮脂の分泌が多いことが関係していると考えられています。
この皮膚のpHの違いが、シャンプーの選び方の大きなポイントですね。
界面活性剤にも違いはあるの?
人用シャンプーの界面活性剤は強力洗浄なアミノ酸系やアルキルスルフェート系が主体の場合が多く、配合量も多めです。
それに比べ犬用シャンプーは刺激の少ない非イオン系が採用されています。
配合量も人用に比べて犬用シャンプーは8〜9割ほどに抑えられていて、肌荒れしにくい安心設計。
イオンは、原子や分子にプラスやマイナスの電気がついている状態のことです。
たとえば、
食卓塩は、通常プラスに帯電したナトリウムイオンとマイナスに帯電したクロルイオンが結びついています。
このとき、もしナトリウムイオンがプラスの電気をすべて失ってしまったら、電気が無くなって食卓塩としての機能が失われてしまいます。
一方、マイナスに帯電したクロルイオンが、さらに電子を得て、よりマイナスの電気を帯びるようになった場合、ナトリウムイオンとの引き合いが強くなり、結晶になります。
つまり塩が電気により固形になったり、吸湿性が高くなるなど、食卓塩としての性質に変化が起きることになるのです。
洗剤に含まれる界面活性剤も、持っている電気の種類によって
- 陰イオン系
- 陽イオン系
- 両性イオン系
- 非イオン系
と分類されています。
【番外編】犬用シャンプーの洗浄成分「界面活性剤」不使用シャンプーは本当に良いの?
界面活性剤不使用シャンプーは、合成界面活性剤を使わず、天然由来の成分で作られたシャンプー。
肌への刺激が少なく、保湿効果が高いという特徴があります。
界面活性剤不使用シャンプーは素晴らしいメリットがありますが注意点もあります。
- 洗浄力が非常に弱いので、汚れが取れない可能性がある
- 汚れが取れないと細菌やカビが残る可能性がある
- しっかり汚れを取った方がいい場合もあるので獣医師に相談する
しっかり確認して、愛犬の心身の健康を保ちましょう。
まとめ
▽ご縁家の3姉妹の次女、シャンプー後です▽
今回の記事で犬のシャンプー選びの大切な要素、シャンプーに入っている成分についてまとめました。
犬のシャンプーはまず、入っているものが分からない。
という大きな壁があります。
製造会社に問い合わせればある程度は教えてくれます。
が、どこまで教えてくれるか分からないし、聞いてそこから成分を調べる労力は大変なものです。
なので、過保護だけれどズボラ飼い主(私です)の目線で成分の見方を説明させて頂きました。
ますは、成分が書いてないシャンプーは怪しい。
そして、安いシャンプーは刺激が強い。
この2点を前提に愛犬に合わせて出来る範囲で合うものを探したいですね。
▽現在ご縁が使っているシャンプー▽