散歩時間の目安は、小型犬(10kg以下)が1日2回・各15〜30分、中型犬(10〜25kg)が1日2回・各30〜60分、大型犬(25kg以上)が1日2回・各45〜60分以上です。
外での散歩を始める時期は、子犬の混合ワクチンの接種プログラムが終わってからが目安です。
完了の時期は接種スケジュールによって変わるため、かかりつけの獣医師に確認してください。
進め方は、室内でハーネスとリードに慣らす、リードを引っ張らない練習をする、短い距離から外に出る、の3段階です。
なぜ犬に散歩が必要なのか

1. 散歩は犬にとって効率のいい運動
広い空間を歩くことで沢山の筋肉を使うため、体力を鍛えられます。
室内では難しい有酸素運動なので、心臓や循環器系の健康維持にも役立ちます。
2. 社会化の勉強にもってこい
他の犬との出会いは、自分とは違う行動を理解し、適切なマナーや行動を学ぶ助けになります。
沢山の人と出会うことは、人への警戒心を和らげることにつながります。
犬や人以外の動物やモノと遭遇する経験は、新しい環境への恐怖を克服し、自信を持つことに役立ちます。
3. 脳の活性化に新しい刺激は欠かせない
犬は「視覚」「聴覚」「嗅覚」を使って周囲の環境を感じ取ります。
新たな刺激を求めて探索することは脳の刺激になり、学習力や記憶力、集中力を育てます。
4. ストレス発散にも欠かせない
適切な運動と刺激が不足するとストレスが溜まり、過剰に吠える、物を壊すといった問題行動につながることがあります。
散歩は運動と刺激をまとめて与えられる、効率のよいストレス発散の方法です。
散歩のトレーニング方法

外での散歩は、子犬の混合ワクチンの接種プログラムが終わってからが目安です。
ただし社会化期(生後3〜12週ごろ)は他の犬や人、音に慣れる大切な時期でもあるため、その時期に何をどこまでしてよいかは、接種スケジュールと合わせてかかりつけの獣医師に相談してください。
外には注意しなくてはいけないことが沢山あり、犬も初めは怖がります。
まず室内のトレーニングで犬も飼い主も自信を付けてから、外への散歩に進みます。
1. いつも生活している室内でハーネスやリードに慣れさせる
犬は警戒心が強く、いきなり拘束される道具を付けると恐怖から逃げようとして暴れることがあります。
暴れても逃げても大丈夫な場所でハーネスやリードを付け、道具に慣れることから始めましょう。
ハーネスは体にフィットし、締め付けすぎないサイズを選ぶため、購入前に愛犬の胴回りを測ります。
2. リードを引っ張らないトレーニングをする
リードを引っ張ると犬の首に負担がかかり、痛みからストレスを抱えます。
この状態では飼い主の指示に従うことが難しくなり、周囲の刺激に敏感に反応して危険な場所に飛び込む、他の犬や人に飛びかかるといった危険も高まります。
リードを引っ張らないトレーニングは、飼い主に任せれば散歩は安心だと犬に思ってもらう練習です。
1. ストップ&スタートトレーニング
散歩中に犬がリードを引っ張ったら、立ち止まって歩かないようにします。
リードが緩むまで待ち、緩んだら再び歩き始めます。
この繰り返しで、犬は引っ張っても進まないこと、飼い主の指示を待つことを学びます。
2. 方向転換トレーニング
犬がリードを引っ張ったら、急に方向を変えて注意を引きます。
リードが緩んだときには褒めて、ごほうびをあげましょう。
方向転換の練習は前に進まない分だけ運動量が多く、室内でも運動になります。
3. ハーネスやリードを付けると動かない場合
怖くて動かない場合は、飼い主がリードの伸びきる距離まで先に歩き、おやつを見せながら「オイデ」と呼びます。
飼い主の所まで来たらごほうびをあげて思いきり褒めましょう。
この繰り返しで、ハーネスやリードを付けて歩くことに慣れていきます。
4. 短い距離から始めて場所を段階的に広げる
室内で一緒に歩き、左右に曲がったりターンをしたりが自然と出来るようになったら外に出ます。
新しい場所を怖がる犬は多いので、短い距離から始めてください。
最初は広い公園や静かな場所など、リードを緩めやすく犬が自由に歩ける場所を選びます。
慣れ親しんだ場所からステップアップすると、犬は自信を持って新しい場所に向かえます。
5. 沢山褒める
犬がリードを緩めたときには褒めて、おいしいおやつをあげましょう。
おやつと褒め言葉は、散歩を楽しい経験にする一番の近道です。
6. 辛抱強く一貫性を保つ
犬を上手に散歩させるためには、辛抱強く一貫性を保つことが大切です。
すぐに上手に散歩できるようにはなりません。
根気よくトレーニングを続けるほど、少しずつ上手に歩けるようになっていきます。
7. 犬の様子を観察する
散歩中は犬の体調と反応を注意深く観察しましょう。
疲れやストレスの兆候が見られたら、休憩や散歩時間の調整が必要です。
リラックスした様子や楽しそうな表情が見られたら、その散歩は成功です。
散歩をする際の注意点

1. 適切なリードの使用
リードは犬を制御し、一緒に歩くための最も重要な道具です。
適切な長さと強度のリードを選び、優しくしっかり持ってください。
ナイロンや革製のリードは耐久性があり、手入れも簡単です。
ハーネスは体にしっかりフィットし、適度な締め付け感がありつつも窮屈ではないものを選びます。
2. 環境への注意
散歩中は常に周囲の環境に注意を向けます。
他の犬や人、車、自転車など、予期せぬ出来事や危険が隠れている可能性があります。
犬が落ちている物を口にしないよう見ておくことも大切です。
3. 犬種別の散歩の時間と回数
小型犬(10kg以下の犬種) ⇒ 1日2回、各15〜30分
中型犬(約10kgから25kg程度の犬種) ⇒ 1日2回、各30〜60分
大型犬(約25kg以上、場合によっては50kg以上になる犬種) ⇒ 1日2回、各45〜60分以上
※これらは一般的な目安であり、個々の犬の性格や年齢・体調により適切な散歩時間や頻度は変わります。

トイ・プードル(小型犬)

ミニチュア・ダックスフンド(小型犬)

紀州犬(中型犬)

ウェルシュ・コーギー・ペンブローク(中型犬)

ゴールデン・レトリーバー(大型犬)

秋田犬(大型犬)
4. 寒い・暑い季節の注意点
寒い季節の注意点
犬は寒さに強いイメージがありますが、小型犬や短毛種は寒さに弱い傾向があります。
寒い日には犬用の洋服を着せて散歩に行きましょう。
凍った道路や歩道は滑りやすく、犬が怪我をする可能性があります。
道路の塩や融雪剤を犬が舐めると中毒を起こす危険性があるため、散歩から帰ったら足を拭いて清潔に保ちます。
寒さに弱いのは、体が小さい犬種(チワワ、ヨークシャーテリアなど)、被毛が短く体脂肪が少ない犬種(ミニチュアピンシャー、ダックスフンド、ビーグルなど)、温かい地方で生まれた犬種(マルチーズなど)、被毛がほとんど無い犬種(チャイニーズ・クレステッド・ドッグなど)、シングルコートの犬種(トイプードル、マルチーズなど)です。

チワワ

ミニチュアピンシャー

マルチーズ
シングルコートとは、オーバーコートという防水・保温性に優れた被毛が無い被毛のタイプで、寒さに弱い傾向があります。
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暑い季節の注意点
犬は体温調節に使える汗腺が肉球にしかないため、暑さに対する耐性が低くなります。
高温時には散歩を控え、早朝や夕方の涼しい時間に散歩をしましょう。
暑い日はアスファルトが高温になり、犬の足に火傷を引き起こす可能性があります。
可能であれば草地や日陰のある場所を選びます。
暑さに弱いのは、鼻が短い犬種(パグ、フレンチ・ブルドッグ、ブルドッグ、ペキニーズなど)、足が短く地面の熱を受けやすい犬種(ダックスフンド、ウェルシュ・コーギーなど)、ダブルコートの犬種(ポメラニアン、日本スピッツ、柴犬など)、寒い地方で生まれた犬種(チャウチャウ、シベリアン・ハスキーなど)です。
鼻が短い犬種は、喉から気管にかけての構造が狭く呼吸がしづらいため、暑い時期は特に短時間で切り上げます。

パグ

ポメラニアン

柴犬
ダブルコートとは、体温を調節するオーバーコートと、皮膚を保護するアンダーコートの2種類を持つ被毛のタイプです。
ダブルコートの犬種は寒さに強い一方、被毛が多いので暑さには弱くなります。
5. 排泄物の始末
散歩中の犬の排泄物は、飼い主の責任で始末します。
公共の場では必ずエチケット袋とマナー水を持参しましょう。
これは衛生面だけでなく、地域社会との良好な関係を保つためにも大切です。
マナー水とは、犬が用を足した後に尿の跡を流し、臭いを抑えるために使う水です。
市販のマナー水には臭いを抑える成分が含まれているものもあり、飲み水と併用して使えるボトルも販売されています。
6. ノミ・ダニ・フィラリア症予防
ノミとダニは犬の被毛に寄生し、かゆみや皮膚炎を引き起こします。
人に寄生することもあり、マダニは感染症を媒介することがあります。
フィラリアは蚊が媒介する寄生虫で、心臓や肺に寄生して重い病気を引き起こすことがあります。
フィラリアの予防薬は動物病院で処方される薬です。
投薬を始める前に血液検査で感染の有無を確認する必要があり、感染している犬に投薬すると重い副作用が起こることがあります。
必ず動物病院で検査を受けてから、獣医師の指示に従って投薬してください。
清潔な環境での生活、定期的なブラッシング、散歩後の被毛のチェックも対策として役立ちます。
7. 安全を最優先に
交通量の多い道路や危険な場所は出来るだけ避けましょう。
リードを確実に装着し、予期せぬ状況に備えて周囲を注意深く観察します。
日頃と違う行動やしぐさをしたら、色々な部分を触って痛みが無いか確認してください。
息遣いが荒いときや舌の色が悪いなどの症状が見られたら、早めに切り上げて様子を見ます。
犬が散歩をより楽しむための方法

1. 新しい経路を試す
新しい散歩経路は「視覚」「嗅覚」「聴覚」を刺激し、犬の好奇心をくすぐります。
同じ経路を繰り返すのではなく、新しい公園や道、景色を探してみましょう。
2. 散歩のペースを変える
犬は色々な速度で散歩を楽しみます。
匂いを嗅ぎながらゆっくり歩く時間と、一緒に走る時間を、愛犬のエネルギーと気分に合わせて変えてみてください。
3. 犬とのコミュニケーションを大切にする
散歩中に話しかけたり一緒に遊んだりすることで絆が深まり、散歩が好きになります。
スマホを見ながらではコミュニケーションになりません。
愛犬を見ながら散歩してください。
犬の散歩でよくある質問
- 犬の散歩は1日何分が目安ですか?
-
小型犬(10kg以下)は1日2回・各15〜30分、中型犬(10〜25kg)は1日2回・各30〜60分、大型犬(25kg以上)は1日2回・各45〜60分以上が目安です。性格や年齢、体調によって適切な時間は変わります。
- 散歩に行かないとどうなりますか?
-
運動と刺激が不足するとストレスが溜まり、過剰に吠える、物を壊すといった問題行動につながることがあります。
- リードを引っ張るときはどうすればいいですか?
-
立ち止まってリードが緩むまで待つ方法と、急に方向を変えて注意を引く方法の2つを繰り返します。リードが緩んだら褒めておやつをあげると覚えが早くなります。
まとめ

犬の散歩は「体力の維持」「社交性を高める」「頭を使う機会を増やす」「ストレスを減らす」ことが出来る活動です。
健康上の問題が無ければ出来る限り散歩に行きましょう。
訓練はまず家の中でハーネスやリードに慣れさせることから始め、次にリードを引っ張らないトレーニングをします。
うまくできた時にたくさん褒めると、散歩が大好きになります。
忍耐強く繰り返すほど上手に歩けるようになっていきます。
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