犬のブラッシングは、毛質によって合うブラシと頻度が変わります。
毛質4タイプ別のブラシと手順、嫌がる犬の慣らし方、季節ごとのケア、ブラッシング中に見る皮膚トラブルのサインをまとめました。
毛質別|合うブラシと頻度
長毛(シーズー・マルチーズ・ヨークシャーテリアなど)は毎日のケアが必要です。
ピンブラシかスリッカーブラシで表面を整え、仕上げにコームで根元まで通します。
毛玉ができやすい耳の後ろ・脇の下・お腹は重点的に、もつれには毛をほぐすスプレーを使ってやさしくほどきます。
巻き毛(トイプードル・ビションフリーゼなど)は、皮膚に近い部分で毛玉ができやすい毛質です。
スリッカーブラシとコームを併用し、毛を少量ずつ持ち上げながら地肌の側から順にとかします。
ダブルコート(柴犬・ゴールデンレトリバー・ポメラニアンなど)は下毛が抜けるため、アンダーコート用のブラシやデシェディングツールで週1〜2回、下毛を取り除きます。
日常のケアはスリッカーブラシです。
やりすぎると皮膚を傷めるので、同じ場所を何度も往復させないでください。
短毛(チワワ・ミニチュアダックスフンド・ラブラドール・ビーグルなど)は週2〜3回が目安です。
ラバーブラシやグルーミンググローブを使うと、肌あたりがやわらかく抜け毛も取れます。
ブラシは種類ごとに刺激の強さが違います。
スリッカーブラシは毛玉を取る力が強い分だけ刺激も強め、ピンブラシは比較的ソフト、ラバーブラシやグローブ型はマッサージのように使えるので、慣れていない犬に向いています。
ブラッシングの手順
毛の流れに沿って、力を入れずにとかし始めます。
表面の毛を整えてから、少しずつ深い層へ進めてください。
毛玉ができやすい耳の裏・脇・お腹・尾の付け根は、特に丁寧にとかします。
逆毛を立てる、引っ張るといった動作は痛みの原因になり、ブラッシング嫌いにつながります。
1回は5分以内にとどめ、必要なら1日に複数回へ分けてください。
終わったら褒める、おやつをあげるなど、良い印象で終わらせます。
皮膚トラブル対策|ブラッシング中に見るところ
毛をかき分けながら、皮膚の赤み・湿疹・フケ・かさぶた・しこりがないかを見ます。
体に直接触れる時間なので、変化に気づきやすい場面です。
ノミやダニは見えにくい場所に付きやすく、耳の裏・脇の下・尾の付け根をていねいにとかすと見つけやすくなります。
毛の中の汚れや抜けた毛を取り除くと、蒸れにくくなります。
梅雨から夏は湿度が高く皮膚が蒸れやすい時期なので、こまめにとかしてください。
赤みやかゆみ、脱毛が続くとき、しこりに触れたとき、フケが急に増えたときは動物病院で相談します。
左右対称の脱毛や毛質の急な変化は、甲状腺の病気など内分泌の不調で起こることもあるため、皮膚のケアだけで様子を見ないでください。
嫌がる犬を慣らす3ステップ
嫌がる理由は、毛玉を引っ張られたなど過去に痛い思いをした、ブラシが毛に当たる音や感触が怖い、慣れていなくて警戒している、といったものが多いです。
長毛やダブルコートの犬は毛のもつれで痛みを感じやすく、それが苦手意識につながります。
1つめは見せる段階です。
ブラシを犬の前にそっと置いておやつを与え、無理に触らずに「ブラシが出ると良いことがある」と印象づけます。
2つめは触れる段階です。
とかさずにブラシを体へ軽く当てるだけにして、落ち着いていられたら褒めてご褒美を与えます。
嫌がったらすぐやめて、「触れたら終わる」と分かるようにします。
3つめは短時間のブラッシングです。
最初は10秒程度から始め、背中やお尻など受け入れやすい場所を選びます。
顔まわりや足先など敏感な場所は最後に回してください。
短く・楽しく・回数を分けて続けることが、慣れるまでの近道です。
無理に全身を終わらせようとせず、その子のペースに合わせてください。
季節別のケア
春から初夏は換毛期で抜け毛が増えます。
特にダブルコートの犬は毎日とかして抜け毛を取り除いてください。
屋外で行うと室内の掃除が楽になります。
夏は暑さ対策が必要ですが、被毛を刈りすぎるのは避けます。
被毛には紫外線や虫から皮膚を守る役割があるためです。
水遊びのあとは耳の中と足の間をしっかり乾かし、濡れたままにして起こる皮膚炎(ホットスポット)を防ぎます。
秋は夏の紫外線や乾燥で傷んだ毛のケアをします。
コンディショナーや犬用の保湿スプレーは、静電気対策にも役立ちます。
冬は空気の乾燥で皮膚のトラブルが起きやすくなります。
保湿成分の入ったスプレーを使ってからとかし、暖房による乾燥でフケやかゆみが出ていないかを確かめてください。
ブラッシングを嫌がらせないための接し方
始める前に穏やかな声で話しかけます。
犬は言葉の内容より声のトーンに反応するため、落ち着いた声は警戒心をやわらげます。
ときどき目を合わせて安心を伝えます。
ただし長く見つめ続けると圧に感じる犬もいるので、短くやさしく見る程度にします。
おとなしくしていられたら、その都度褒めて小さなおやつを与えます。
「ブラッシング=良いことがある」と結びつけるためです。
しっぽを下げる、耳を伏せる、体を固くするのは不快や緊張のサインです。
口元がゆるむ、呼吸が穏やか、しっぽを軽く振っているときはリラックスしています。
反応を見ながら力加減と場所を変えてください。
毎回同じ場所・同じ流れで行うと、犬にとって予測できる時間になり安心します。
いつものマットの上で行う、終わったら遊ぶかおやつをあげる、といった形です。
ブラシ選びに迷ったときは、ペットショップやホームセンターの売り場で毛質を伝えて相談すると選びやすくなります。
よくある質問
- ブラッシングはどのくらいの頻度が必要ですか?
- 毛質で変わります。
長毛と巻き毛は毎日、ダブルコートは日常のケアに加えて週1〜2回の下毛の除去、短毛は週2〜3回が目安です。
換毛期は毛質にかかわらず回数を増やしてください。 - 毛玉ができてしまったときはどうしますか?
- 引っ張ってほどこうとすると皮膚を傷めます。
毛をほぐすスプレーを使い、毛玉の根元を指で押さえて毛先の側から少しずつほぐしてください。
皮膚に張りつくほど固い毛玉は、無理をせずトリミングサロンや動物病院に相談します。 - ブラッシングを嫌がって唸るときは?
- 無理に続けないでください。
ブラシを見せる、体に当てるだけ、10秒だけとかす、と段階を戻して慣らし直します。
特定の場所だけ強く嫌がるときは、その部分に痛みや皮膚のトラブルがある可能性があるため、動物病院で診てもらってください。 - 短毛の犬にもブラッシングは必要ですか?
- 必要です。
短毛でも抜け毛はあり、とかすことで抜けた毛を取り除けます。
皮膚の赤みやしこりに気づく機会にもなるので、週2〜3回を目安に続けてください。
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