カーミングシグナル15のサインで愛犬の気持ちを読む

カーミングシグナル

カーミングシグナルは、犬が相手や自分を落ち着かせたいときに出す仕草や行動のことです。ノルウェーの動物学者トゥーリッド・ルーガスが体系化し、世界中の犬が持つ「共通言語」として広く研究されています。

この資料では、代表的な15のサインを画像・意味・出る場面・飼い主の対応方法まで、1枚の資料としてまとめています。目次からサインの一覧・対応表・FAQへ進んでください。

目次

カーミングシグナルとは

カーミングシグナルは、犬が相手に伝えたい感情や、自分自身を落ち着かせるために出す仕草・行動のことです。
相手を落ち着かせるサインが多いのが特徴で、人が犬にカーミングシグナルを見せることで、犬に気持ちを伝えることもできます。

ノルウェーの動物学者トゥーリッド・ルーガス(Turid Rugaas)女史が1996年に著書『カーミングシグナル』で体系化し、その後世界中で研究が進みました。
ルーガス女史は「カーミングシグナルは犬種・大きさ・色に関わらず世界中のすべての犬が持つ共通言語」と位置づけています。
出典:トゥーリッド・ルーガス著『カーミングシグナル』

カーミングシグナル 15の種類
── 画像+意味の対応表

犬のカーミングシグナルは30種類以上あると言われますが、ここではルーガス女史の著書に記載されている代表的な15種類を画像付きで紹介します。

1.顔の向きを変える
顔の向きを変える犬
「敵意はないから安心して」
「落ち着いて」
「そんなことしないで」
2.目をそらす
目をそらす犬
「落ち着いて」
「私はあなたに集中していないよ」
「ストレスをかけないで」
3.鼻を舐める
鼻を舐める犬
必要以上に鼻水が出るのはストレスサイン。
自分を落ち着かせる効果があります。
4.固まる
固まる犬
「何もしないから大丈夫だよ」
5.ゆっくりと歩く
ゆっくり歩く犬
「緊張しなくても大丈夫だよ」
6.お尻をあげる(プレイング・バウ)
プレイングバウの犬
「遊ぼうよ」
「攻撃しないよ」
7.座る・伏せる
伏せる犬
「落ち着こう」
「私は攻撃しないよ」
8.あくびをする
あくびをする犬
「落ち着いて」
「私はあなたに注目していないよ」
9.匂いを嗅ぐ
匂いを嗅ぐ犬
「あなたに集中していないから、私に集中しないで」
10.カーブする
カーブしながら歩く犬
「攻撃するつもりはないよ、安心して」
「落ち着いて、大丈夫だよ」
11.間に割って入る
間に割って入る犬
「ケンカはやめようよ」
「落ち着こう」
12.尻尾を振る
尻尾を振る犬
尻尾が下がり気味なら「落ち着いて」。
尻尾が上がり気味なら「私は強いですよ、やるならやりますよ」。
13.子犬のような行動
子犬のような行動の犬
「私は強くないよ、弱いから大丈夫だよ」
14.瞬きをする
瞬きをする犬
「そんなに注目しないで、私は見ていないでしょ」。
多くは体の硬直や視線を外す行動を伴います。
15.片足をあげる
片足をあげる犬
「敵意はないよ」。
自分を落ち着かせようとする行動でも使われます。

15のサインと出る場面・飼い主の対応方法
── 対応表

サインを見つけたときに飼い主が取れる対応を、出やすい場面と合わせて1枚の表にまとめました。

サイン よく出る場面 飼い主の対応
あくび 叱られた・緊張 声のトーンを落とす
舌なめずり 不安・違和感 距離を空ける
そっぽ向き 顔を近づけすぎ 顔を離す
座る・伏せる 強いストレス 遊びを中断
背中を見せる 無防備な信頼 そっと撫でる
体を振る 緊張のリセット そのまま見守る
歩くのが遅くなる 嫌なことの前兆 引っ張らない
地面の匂いを嗅ぐ 注意を逸らしたい 急かさない
カーブを描いて歩く 正面接近を回避 こちらもカーブで近づく
ゆっくり瞬き リラックス・安心 同じく瞬きを返す
耳を後ろに倒す 緊張・服従 優しく声をかける
しっぽを低く振る 不安まじりの友好 無理に触らない
遊びのお辞儀 遊びの誘い 応じてあげる
足を上げて止まる 判断中・観察 動かず待つ
固まる 強い恐怖 すぐ環境を変える

「ストレスサイン」と「カーミングシグナル」の関係

あくび・伸び・ブルブルっと震える等の仕草は、ストレスサインであり、相手に警戒心を無くすカーミングシグナルでもあります。ストレスサインとカーミングシグナルは同じ仕草が多く重なります。

カーミングシグナルは生まれながらに持っている本能から出るサインですが、経験を積むことで表現方法が上手になります。
特に子犬期に多くの犬や人と接した犬はカーミングシグナルの使い方が上手です。

人と同じで眠いときのあくび・起きた直後の伸びはカーミングシグナルではありません。
カーミングシグナル・ストレスサイン・生理現象のどれか迷ったときは、その仕草をした前後の状況や周りの変化から判断してください。
関連資料として、犬のストレスサイン36種&カーミングシグナル15選も併せて確認できます。

人が使えるカーミングシグナル
── 飼い主が犬を落ち着かせる合図

カーミングシグナルの中には人が真似ても犬に伝わるものがあります。初対面の犬・興奮している犬に接するとき、以下のような仕草で「敵意なし」を伝えられます。

「あなたに集中していないよ、緊張しないで」を伝える仕草

視線をそらす/顔を背ける/弧を描いて近づく/ゆっくり動く。
正面から目を合わせず、身体の向きを斜めに保つのがポイントです。

「怖くないよ、攻撃しないから」を伝える仕草

座る/まばたきをする/あくびをする/唇を舐める。
姿勢を低くしてゆっくり動くだけでも、犬の緊張はかなり和らぎます。

しっぽを振る・鼻を舐める等は人の身体構造上できませんが、上記の4〜5個の合図を組み合わせるだけで、犬とのファーストコンタクトは大きく変わります
逆に、初対面の犬に対して正面から目を見て「かわいい!」と大きな声で素早く近づくと、犬は強く警戒します。
威嚇や挑発的に受け取られる仕草は避け、犬のストレスを減らせる合図を優先しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. カーミングシグナルとボディランゲージの違いは?
A. ボディランゲージは犬の感情全般を表す体の動きの総称です。カーミングシグナルはその一部で、相手や自分のストレスを和らげるために出す信号を指します。
Q. 高齢犬と若い犬でシグナルの出方は違いますか?
A. 年齢を重ねると体が硬くなり、サインの動きが小さくなる傾向があります。代わりに視線そらしや軽い瞬きが増えるため、微細な変化を観察する習慣が大切です。
Q. 飼い主がカーミングシグナルを真似ても効果はある?
A. あります。あくび・ゆっくり瞬き・体を半身ずらすといった仕草を返すだけで、犬は「敵意なし」と受け取ってリラックスしやすくなります。
Q. カーミングシグナルを無視するとどうなる?
A. ストレスが蓄積し、最終的に吠える・噛む・体調を崩す等の形で顕在化します。サインの段階で対応するのが最も負担が少ない方法です。

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