
≪ 取得した資格≫
- JADP公認上級ペットケアアドバイザー
- JADP公認トリマー・ペットスタイリスト
- JADP公認ドッグセラピスト
犬との暮らし17年、 多頭飼い歴9年、
保護犬ボランティア歴9年。
自他ともに認める犬が大好きな過保護飼い主です。
Instagram(フォロワーさん1.7万人)では我が家の愛する娘🐶達との生活と最新情報を投稿しています。
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この記事の要点:酸化防止剤は「そもそも必要」(無いと脂が酸化)。
🟢安心=ミックストコフェロール・ローズマリー抽出物(天然系)。
🟡種類を選びたい=BHA・BHT・エトキシキン・没食子酸プロピル(合成系)。
気になるなら天然系へ切り替えれば十分です。
全43種を🟢🟡🔴で早見表にまとめました(🐾はドッグフードで見かけるもの)。
酸化防止剤そのものは「悪者」ではありません。
むしろ無いと脂が酸化して傷み、かえって愛犬のおなかに負担をかけることがあります。
大切なのは「入っているかどうか」ではなく、合成か、天然かです。
たとえば天然系のビタミンEなら安心、合成のBHAは気になるなら避ける。
そんな見分け方ができます。
まず知っておきたい酸化防止剤の基本
そもそも、なぜ酸化防止剤が入っているの?
ドライフードには脂質(オイル)がたっぷり含まれています。
脂は空気に触れると酸化して、風味が落ち、過酸化脂質という傷んだ脂に変わっていきます。
酸化したフードは、食いつきの低下や嘔吐・下痢の原因になるとされています。
これを防ぐのが酸化防止剤の役割です。
つまり「酸化防止剤ゼロ」がいちばん安心、とは限らないのです。
無添加にこだわったフードは、そのぶん賞味期限が短く、開封後の管理がシビアになります。
日本では国が上限を決めている
日本にはペットフード安全法という法律があり、添加物の上限が決められています。
国内で正規に売られているフードは、この上限を超える量は入っていません。
上限は、エトキシキン・BHA・BHTの3種を合計して150µg/gまでです。
エトキシキンは単独でも上限があり、犬用フードは75µg/g以下と、さらに厳しく決められています。
出典:環境省「ペットフード安全法 基準規格」
全43種 早見表(🟢🟡🔴で色分け)
危険度は3段階です。
🟢 安全性が高い・天然系やビタミン系 / 🟡 法の範囲内だが種類を選びたい / 🔴 犬には避けたい
🐾 は、ドッグフードの原材料欄で実際に見かけるものです。
| 名称 | 危険度 | 区分 | 特徴・対象 |
|---|---|---|---|
| L-アスコルビン酸(ビタミンC)🐾 | 🟢 | ビタミン系 | 水溶性。栄養と酸化防止を兼ねる |
| L-アスコルビン酸ナトリウム | 🟢 | ビタミン系 | ビタミンCのナトリウム塩 |
| L-アスコルビン酸パルミチン酸エステル | 🟢 | ビタミン系 | 脂に溶けるよう加工したビタミンC |
| 亜硫酸ナトリウム | 🟡 | 合成 | ワイン・乾燥果実等。酸化防止と漂白を兼ねる |
| EDTAカルシウム二ナトリウム | 🟡 | 合成 | 缶詰・マヨネーズ等。金属イオンを捕まえて酸化を抑える |
| EDTA二ナトリウム | 🟡 | 合成 | 同上。使用後はカルシウム塩に変える決まり |
| エトキシキン 🐾 | 🟡〜🔴 | 合成・飼料用 | もとは飼料用。EUは2017年に認可を一時停止(不純物のデータ不足が理由)。日本は犬用75µg/g上限 |
| エリソルビン酸 | 🟢 | ビタミン系 | ビタミンCの異性体。酸化防止専用 |
| エリソルビン酸ナトリウム | 🟢 | ビタミン系 | 同ナトリウム塩。水産加工品・ハム等 |
| γ-オリザノール | 🟢 | 天然・植物 | 米ぬか由来 |
| カテキン 🐾 | 🟢 | 天然・植物 | 茶などから採る酸化防止成分 |
| カンゾウ油性抽出物 | 🟢 | 天然・植物 | 甘草由来 |
| クエルセチン | 🟢 | 天然・植物 | タマネギ外皮などのポリフェノール |
| クエン酸 🐾 | 🟢 | 補助(合成・天然両方) | 金属イオンを抑えて他の酸化防止剤を助ける |
| クエン酸イソプロピル | 🟡 | 合成 | 油脂向けの酸化防止剤 |
| クローブ抽出物 | 🟢 | 天然・香辛料 | 香辛料クローブ由来 |
| グアヤク脂 | 🟢 | 天然・樹脂 | 南米の樹木の樹脂由来 |
| 酵素処理イソクエルシトリン | 🟢 | 天然・植物 | クエルセチンの仲間を使いやすく加工 |
| 酵素処理ルチン | 🟢 | 天然・植物 | 水に溶けやすく加工したルチン |
| コメヌカ油抽出物 | 🟢 | 天然・植物 | 米ぬか油由来 |
| BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)🐾 | 🟡 | 合成 | BHAと同系統。3種合計150µg/gで管理 |
| 精油除去ウイキョウ抽出物 | 🟢 | 天然・ハーブ | ハーブのフェンネル由来 |
| セイヨウワサビ抽出物 | 🟢 | 天然・植物 | ホースラディッシュ由来 |
| セージ抽出物 | 🟢 | 天然・ハーブ | ローズマリーの近縁ハーブ由来 |
| チャ抽出物(緑茶抽出物)🐾 | 🟢 | 天然・植物 | カテキン類が酸化を抑える |
| トコトリエノール | 🟢 | ビタミン系・天然 | ビタミンEの仲間。パーム油等由来 |
| dl-α-トコフェロール(合成ビタミンE)🐾 | 🟢 | ビタミン系 | 酸化防止目的に限り使える合成ビタミンE |
| d-α-トコフェロール(γ・δ含む) | 🟢 | ビタミン系・天然 | 天然ビタミンE。植物油由来 |
| 二酸化硫黄 | 🟡 | 合成 | ワイン等。亜硫酸塩の仲間 |
| ヒマワリ種子抽出物 | 🟢 | 天然・植物 | ヒマワリの種由来 |
| ピロ亜硫酸カリウム | 🟡 | 合成 | ワイン等の酸化防止 |
| フェルラ酸 | 🟢 | 天然・植物 | 米ぬか等由来のポリフェノール |
| BHA(ブチルヒドロキシアニソール)🐾 | 🟡 | 合成 | 3種合計150µg/gで管理。腫瘍報告は通常使用の千倍以上の量での話 |
| ブドウ果皮抽出物 | 🟢 | 天然・植物 | 果皮のポリフェノール |
| ブドウ種子抽出物 | 🟢 | 天然・植物 | プロアントシアニジンを含む |
| プロポリス抽出物 | 🟢 | 天然・動物 | ミツバチの巣材由来 |
| ミックストコフェロール 🐾 | 🟢 | ビタミン系・天然 | 数種のトコフェロールの混合。プレミアムフードの定番 |
| 没食子酸 | 🟡 | 天然にも存在 | 没食子酸プロピルの母体 |
| 没食子酸プロピル 🐾 | 🟡〜🔴 | 合成 | 発がん性の可能性を指摘する報告がある。合成では避けたい寄り |
| ヤマモモ抽出物 | 🟢 | 天然・植物 | 果樹ヤマモモ由来 |
| ルチン(抽出物) | 🟢 | 天然・植物 | ソバ・エンジュ由来のポリフェノール |
| レシチン | 🟢 | 補助・天然 | 大豆・卵黄由来。酸化防止の補助 |
| ローズマリー抽出物 🐾 | 🟢 | 天然・ハーブ | ミックストコフェロールとセット使いの定番 |
区分の「合成」は国が個別に指定した指定添加物、「天然」は長年の使用実績がある既存添加物です。
物質名は厚生労働省の指定添加物リスト・既存添加物名簿(日本食品化学研究振興財団公表)で確認しています。
よく聞く合成4種を数字で見る
エトキシキン
もともと飼料用の抗酸化剤です。
EUは2017年、飼料添加物としての認可を一時停止しました。
ただし理由は、エトキシキンそのものではなく、製造時に混ざる不純物の安全性データが足りなかったため。
欧州食品安全機関(EFSA)は「エトキシキン自体には遺伝毒性・発がん性は認められない」ともしています。
日本では犬用フードは75µg/g以下に規制されています。
法律内なら直ちに問題とは言えませんが、気になる方は避けやすい添加物です。
BHA(ブチルヒドロキシアニソール)
「発がん性がある」と検索で出てきて、いちばん心配されている添加物です。
根拠は1982年のラット実験で、前胃に腫瘍が見つかったという報告。
ただしその量は体重1kgあたり1日1,322mg=通常の使用量の千倍以上でした。
国際機関JECFAは「この結果を人にそのまま当てはめることはできない」とし、EFSAも2011年に1日許容摂取量(ADI)を体重1kgあたり1.0mgと設定しています。
BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)
BHAと同系統の合成酸化防止剤です。
BHA・エトキシキンとの合計150µg/gという上限で管理されています。
没食子酸プロピル
化学合成の酸化防止剤で、発がん性の可能性を指摘する報告があります。
合成の中では避けたい寄りの存在です。
プレミアムフードの定番・天然系
ミックストコフェロール(ビタミンE)
天然由来の酸化防止剤の代表格です。
プレミアムフードの多くがこれを使っています。
原材料欄に「ミックストコフェロール」とあれば、酸化対策について良い設計のサインです。
ローズマリー抽出物
ハーブのローズマリーから採った天然の酸化防止成分です。
ミックストコフェロールとセットで使われることが多いです。
緑茶抽出物・クエン酸
補助的に使われる天然系の酸化防止成分です。
これらが書かれているフードは、合成に頼らない設計と読み取れます。
上の早見表にある通り、ほかにもセージ・クローブ・米ぬか・ブドウ種子など、植物由来の酸化防止剤はたくさんあります。
人の食品で広く使われており、見慣れない名前でも「植物の抽出物なら天然系」と覚えておくと読み解きやすくなります。
原材料欄での見分け方とフードの例
かんたんな見分け方
✅ ミックストコフェロール・ローズマリー抽出物とあれば天然系で、安心して選べます。
⚠️ BHA・BHT・エトキシキン・没食子酸プロピルは法律の範囲内ですが、気になるなら天然系のフードへ切り替えてください。
👀 「酸化防止剤」の記載が何もないときは、賞味期限と開封後の保存方法を必ず確かめます。
ひとつ注意したいのがキャリーオーバーという表示ルールです。
原材料の段階で使われた添加物は、最終製品で微量なら表示しなくてよいことになっています。
「無添加」の4文字だけで判断せず、原材料欄を最後まで読むのが確実です。
わからない名前が出てきたらドッグフード添加物一覧(五十音辞典)で引いてみてください。
天然系を使っているフードの例
タンパク質38%・糖質推定23%のオリジン オリジナル(正直レビュー)です。
原材料欄に「酸化防止剤:植物油から抽出したトコフェロール・クエン酸・ローズマリーエキス」と、中身だけでなく量(mg/kg)まで明記されています。
この開示の丁寧さは、フード選びの大きな判断材料になります。
よくある質問
BHA入りのフードを今あげています。やめるべきですか?
A. 法律の上限内で管理されているため、慌てて捨てる必要はありません。
気になる場合は、次に買うフードから天然系(ミックストコフェロール等)のものへ切り替えると安心です。
「酸化防止剤不使用」のフードの方が安全ですか?
A. 一概には言えません。
酸化防止剤がないと脂質の酸化が早く進むため、賞味期限・保存条件がシビアになります。
小袋を選ぶ・開封後1か月で使い切るなどの管理とセットで考えてください。
開封後はどう保存すればいいですか?
A. 空気・光・高温が酸化を早めます。
袋の空気を抜いて密閉し、冷暗所で保管、開封後は1か月以内に使い切るのが目安です。
小型犬には1kg前後の小袋がおすすめです。
天然の酸化防止剤なら量は気にしなくていい?
A. ビタミンEなどの天然系は通常の使用量では心配いらないとされています。
フード全体の脂質の質や鮮度の方が大切です。
まとめ──酸化防止剤は「天然系」を選べば安心
酸化防止剤ゼロを探す必要はありません。
無いと脂が酸化して、かえって体に負担になることがあります。
原材料欄でミックストコフェロール・ローズマリー抽出物という名前を探してください。
これがあれば天然系です。
今あげているフードが合成系でも、慌てて捨てる必要はありません。
次に買うフードから天然系に替えれば十分です。
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参考にした主な資料
環境省「ペットフード安全法 基準規格」/厚生労働省 指定添加物リスト・既存添加物名簿(日本食品化学研究振興財団公表)/東京都保健医療局「用途別 主な食品添加物 酸化防止剤」/EFSA(欧州食品安全機関)エトキシキン再評価・BHA評価/JECFA評価/一般社団法人ペットフード協会「ペットフードと添加物」。
数値や評価は執筆時点の情報で、最新は各出典をご確認ください。
※愛犬の体調・体質には個体差があります。
気になる症状がある場合は獣医師にご相談ください。

