犬の多頭飼いの始め方を、受け入れの判断・先住犬との相性確認・迎えた最初の1週間・その後の暮らし方の4ステップで整理しました。

≪ 取得した資格≫
- JADP公認上級ペットケアアドバイザー
- JADP公認トリマー・ペットスタイリスト
- JADP公認ドッグセラピスト
犬との暮らし17年、 多頭飼い歴9年、
保護犬ボランティア歴9年。
自他ともに認める犬が大好きな過保護飼い主です。
Instagram(フォロワーさん1.7万人)では我が家の愛する娘🐶達との生活と最新情報を投稿しています。
※記事内に広告があります。広告の収益は看取りボランティア施設設立の資金にさせて頂きます。
多頭飼いの始め方4ステップ

ステップ1は受け入れられるかの確認で、お金・時間・空間・トラブル対応の4つの余裕を見ます。
ステップ2は先住犬との相性確認で、体格と性格が近い犬を選び、決める前に必ず対面させます。
ステップ3は迎えてから最初の1週間で、初日から3日ごろまではケージ中心、4日目ごろから少しずつケージの外に出します。
ステップ4はその後の暮らし方で、先住犬を優先しながら1頭ずつと向き合う時間をつくります。
【ステップ1】多頭飼いを受け入れられるか確認する

1.経済の余裕があるか
犬を飼うには、フード・おやつ・医療費・ケージやトイレなどの用品・お手入れの費用がかかります。
2頭飼うと、これらはほぼそのまま2倍になります。
病気や事故に備える金額も倍で考えてください。
迎えてすぐに病気になっても続けられるかを想像してから決めましょう。
犬の大きさや年齢によっても、かかる費用は変わります。
2.時間の余裕があるか
お手入れと散歩の時間は2倍になります。
1頭あたりの目安は、散歩が1日1回30分程度、食事が1日2回で15分程度、トイレの世話が1日2回で10分程度、遊びが1日1時間程度、しつけが1日15分程度です。
洗い物や掃除も2倍になります。
空いている時間はすべて愛犬との時間になると考えてください。
3.スペースの余裕があるか
犬はもともと仲間と過ごす動物ですが、ゆっくり眠りたいときなど、自分だけの時間と空間を求めます。
犬にも人と同じように、自分の周りに一定のスペース(パーソナルスペース)が必要です。
距離が近すぎるとストレスがたまり、喧嘩の原因になります。
それぞれが休める場所を分け、運動する場所も広めに確保してください。
4.トラブルがあった時の対応方法を考えられているか
トレーニングで吠える回数が減る犬はいますが、まったく吠えなくなることはありません。
多頭飼いでは1匹が吠えるとみんなが吠えて大音量になります。
ご近所への配慮として、吠える前提で防音対策をしておきましょう。
急な病気や大きなけがをしたときに行ける病院も、迎える前に確認しておきたいところです。
迎えてすぐに事故にあったり、病気になることもあります。
通院や入院になったときの費用と看病の時間も、あらかじめ考えておく必要があります。
▼~経験者の声~
【超経験者談】犬の多頭飼いあるある10選|魅力や注意点も完全網羅
【ステップ2】先住犬との相性を確認する

1.犬の多頭飼いは先住犬を優先する
先住犬は、それまでの暮らしが突然変わることの影響を最も強く受けます。
後輩犬ばかりをかまったり優先したりしていると、先住犬は不安やストレスをためこみます。
ストレスが続くと体調をくずしやすくなります。
かつては犬の群れを固定的な上下関係で説明することが一般的でしたが、近年はその考え方の見直しが進んでいます。
先住犬を優先するのは順位をつけるためではなく、環境の変化で不安になりやすい犬を先に安心させるためです。
先住犬は家のルールを知っているので、落ち着いていれば後輩犬のよい見本になります。
逆に先住犬が不安なままだと、後輩犬もその状態をまねてしまいます。
▼~犬同士のコミュニケーション方法を見分けるコツ~
【もう悩まない】多頭飼いで喧嘩した犬を仲直りさせる3つのコツ
2.先住犬と同じ体格・性格の犬を選ぶ
先住犬と体格が同じくらいで性格も似ていると、動き方や生活リズムが近いためストレスが少なくなります。
たとえば先住犬がおっとりした老犬の場合、好奇心旺盛で元気な犬が来ると負担が大きくなります。
先住犬が元気な犬なら新しく迎える犬も元気な犬、先住犬がおっとりしているならおっとりした犬を考えましょう。
年齢が同じだと看病の時期や見送りの時期も重なりやすいので、年齢は離れている方がおすすめです。
▼~犬の相性はとても大切~
3.後輩犬を決める前に先住犬と対面させる
年齢や犬種、性別など相性が良いとされる組み合わせはありますが、人と同じように犬にも個性があり、会わせてみないと相性は分かりません。
犬同士が仲良く遊んでいる場合は、相性が良いと判断できます。
見るポイントは、挨拶の仕方、尻尾の動き、耳の動き、目つき、体に触れられたときの反応の5つです。
保護犬は保護団体が性格を把握しているので相談ができ、トライアル期間で一緒に過ごして相性を確かめられます。
▼~犬のストレスサインと発散方法~
犬のストレスの原因を見極める方法と年齢や性格に合わせた発散方法
【ステップ3】迎えてから最初の1週間を大切にする

1.初日から3日ごろまではケージ中心で過ごす
後輩犬を迎えたら、2〜3日はケージで過ごしてもらいます。
これは先住犬が後輩犬を受け入れる時間であり、後輩犬が新しい環境に慣れる時間でもあります。
後輩犬はケージで過ごすことでそこが自分の場所だと認識し、少しずつ落ち着いてきます。
ケージの中から、新しい家の生活リズムと匂いを感じてもらいましょう。
▼~便利グッズで節約&時短~
犬の便利グッズ2023|単身犬生活16年で買って良かった品を厳選
2.4日目ごろからケージの外に出す時間を増やす
4日目ごろから、徐々にケージの外に出す時間を作ります。
最初はおしっこやうんちをしたタイミングで出すと、トイレトレーニングにもなります。
粗相をしない30分〜1時間を目安に外に出し、先住犬との様子を見ます。
先住犬が威嚇せず、逃げたりしないようなら、新しい犬を受け入れた証拠です。
トイレトレーニングが終わったら、自由に過ごしてもらいましょう。
▼~犬の気持ちが分かるしぐさや行動~
3.2週目以降は同じ空間で過ごす時間を延ばす
2週目から3週目は、飼い主が必ず立ち会いながら、同じ空間で過ごす時間を延ばします。
この時期は食事と寝床を分けたままにして、取り合いが起きない状態を保ちます。
4週目以降は留守番も含めて同じ空間で過ごせるようにし、唸る、一か所を噛み続けるといった喧嘩の兆候がないかを観察します。
うまくいかないときは、ひとつ前の段階に戻してやり直してください。
【ステップ4】多頭飼いの暮らしを楽しむ

1.先住犬に合わせて後輩犬と過ごす時間と環境を作る
何事も先住犬を優先するのが、多頭飼いを続けるコツです。
先住犬が後輩犬を受け入れるまで、後輩犬は基本的にケージで過ごしてもらいましょう。
ごはん、声かけ、散歩の順番など、犬にとって嬉しいことは先住犬を先にしてください。
飼い主が徹底して先住犬を大切にすると、先住犬は後輩犬に優しく接してくれます。
飼い主が同じ行動を繰り返すことで、後輩犬も家のルールを覚えていきます。
▼~犬の言葉は人でも使える~
犬の気持ちや伝えたいことを聞く|カーミングシグナルは犬の共通言語
2.個々とのコミュニケーション時間を作る
先住犬と後輩犬が仲良くなるかどうかは飼い主次第です。
先住犬を優先することを徹底しつつ、1頭ずつと向き合う時間を必ず作ってください。
犬は愛情深く感受性が高いので、やきもちを焼きます。
1対1の散歩や遊びの時間があると、それぞれが安心して過ごせます。
おもちゃなど取り合いになりやすい物は同じ物を2つ用意し、褒めるときは2頭同時に褒めると、やきもちが起きにくくなります。
▼~犬が幸せになる方法と犬が幸せを感じるときの仕草~
犬が幸せになる!愛犬のストレスフリーで幸せな毎日を手に入れる方法
3.笑顔を絶やさず生活する
飼い主は犬たちのことだけでなく、仕事や体調で心が不安定になることがあります。
犬は感受性が高いので、心配して寄り添ってくれるでしょう。
ただし飼い主が不安定だと、犬も不安になりストレスを感じます。
つらいときは作り笑顔でよいので、明るく犬たちに接してあげてください。
飼い主と犬たちが見つめ合うと、お互いに幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンが分泌されると報告されています。
オキシトシンには、幸せを感じる、ストレスを減らす、信頼感を増す、良質な睡眠を促すといったはたらきがあるとされています。
一緒に暮らした日々を写真に残しておくと、後から見返したときに絆が深まっていく過程が分かります。
▼~犬に好かれる人の共通点~
犬に好かれる飼い主になる方法|犬が安心できて好きな人に見せる仕草
まとめ

多頭飼いを始める前の心構えから、迎えたあとの過ごし方までをまとめました。
私自身は、先住犬を思いやるよりも自分の寂しさを優先して多頭飼いを始め、先住犬にも後輩犬にも辛い思いをさせた経験があります。
先住犬は本当に1匹では寂しいのか、新しい犬を迎えられる環境なのか、先住犬を思いやりながら新しい犬を迎えられるのか。
この3つをゆっくり考えてから決めてください。
よくある質問(FAQ)
- 初対面はどこで行う?
-
自宅は先住犬の縄張りなので避けてください。
公園やドッグランの入口など、どちらの犬にとっても中立な場所で、短時間から始めます。
- 迎えてから何日くらいで同じ空間に慣れる?
-
最初の2〜3日はケージ中心で、匂いと生活音に慣れてもらいます。
4日目ごろから30分〜1時間ずつケージの外に出し、先住犬の様子を見ます。
威嚇や逃げがなければ、2週目以降に同じ空間で過ごす時間を少しずつ延ばします。
- シニア犬がいる家に子犬を迎えるときは?
-
シニア犬が疲れないよう、子犬の遊ぶ時間を区切ってください。
シニア犬がいつでも逃げられる別室や、静かに休める場所を必ず用意します。
多頭飼いの相性も参考にしてください。
- 喧嘩が起きたらどうすればいい?
-
まずは完全に分離して落ち着く時間を作り、冷却期間を置いてから前の段階に戻してやり直します。
唸る、牙を見せる、一か所を噛み続けるといった本気の喧嘩は、ためらわず止めてください。
素手で間に入ると人が咬まれるため、大きな音を出す、毛布をかけるなど、直接手を出さない方法で引き離します。
喧嘩した犬の仲直り方法も参考になります。
🐶 同じカテゴリの記事もどうぞ|「犬との暮らし」
🍚 あわせて読みたい:ドッグフード選び

